お化粧直しにさようなら


 高度経済成長期に建てられた住宅の多くは、ピカピカ、ツルツルしていて、均質で無臭性で無機質な素材によって建てられてきました。家は本来、長い時間を生きるものです。それなのに竣工したときがピークである家が建てられてきました。
そして「新築よ、もう一度」と、施主も工務店も設計者も「新築病」にかかってしまいます。
 それでも新築するまでお金をかけたくない、という現実もあり今度は安易なリフォーム工事をしてしまいます。

 また最近では「建築」とは一切関係がない「福祉や介護」といったケアからの住宅リフォームも盛んです。

 今住む家を、あと10年持たせたいのか、20年、30年、50年持たせたいのか。
 そうすると、その建物をあと10年、20年、30年、50年持たせるためには、どのように補強し、劣化している部分を改めるかが重要で、そこに最初に手をつけないと何も始まりません。

 そしてそこを欠くと、単なる「お化粧直し」のリフォームになってしまいます。
 殻殻の住まいドックで行う改修工事は、そこがいわゆる違いなのです。
 改修仕事が新築と異なるのは、現存する建物が制約として加わることです。この工学的基礎を、まずしっかり掴み、その上に、空間をデザインするのがプロの仕事です。

 綺麗にお化粧直しをしてもそれはまた陳腐化され、また同じリフォームをしなければならないことにそろそろ気がついてもいい頃合だと思います。